インバウンド

EIMONの楽苦我記

李英門のビジネス活動の記録です。

#21 浅草のインバウンド変化から見る日本の観光事情

浅草を歩いていると、今や日本人より外国人観光客の方が多いのではないかと感じる日があります。

 

浅草!


約15年前に実証テストを行ったお店を再訪問し、その変化に驚かされました。

 

 

📅  10年で一変した浅草の商店事情

 

浅草に以前、実証テストをさせていただいたお店があります。

「たかしまや」さんです。

主に日本製のレース製品、ポーチなどを扱うお店です。

 

いつも良くしてくださる「浅草仲見世たかしまや」

 

実施したのは

「外国語ポップを置くだけで、どれくらい売れるのか」

を見させていただく検証でした。

 

結果としては売り上げは2割ほど上がったものの、外国人客からの質問が増えたという状況でした。

まだまだ日本人客がメインだったので、「外国人客の対応はあまり負担かけずにしたい」というのがお店の本音でした。

 

あれから約10年。

本日お聞きしたら、なんと9割が外国人客からの売上になっているとのこと。

 

「日本製」を売りにしているのであまり説明なくても買っていただけるようになり、逆に日本人客が減ったそうです。

 

小物のバッグが特に売れ筋だとか。

 

これは観光庁のデータからも裏付けられます。

令和6年(2024年)の訪日外国人旅行者数は3,687万人にも達し、2025年3月までの累計では1053万7300人と年初から過去最速で1000万人を突破しました。

浅草のある台東区だけでも、令和5年には外国人観光客数が442万人と推計されています。

 

 

⛰️  言葉の壁はもはや壁でなくなった?

 

次に、国際通りにある「スタンド」という定食屋で少し遅めのお昼を取りました。

 

ごちそうさまでした!

 

入店時はお客さんが全員日本人客だったので「流石にこちらの通りには来ないかな?」と思っていました。

 

しかし少しすると台湾人親子が入店してきました。

初めて来たような感じでメニューを見ながら選んでいます。

「わかるのかな?」と思いつつ、職業病でしょうか。

万が一の時のために当社のテレビ電話システムの準備をしてました。

が、ご本人のスマホをかざして確認をしているんですね。

間も無くして店員さんを呼び、メニューを指して注文完了。

「通じたの?」と不思議に思いました。

 

帰り際に店員さんに聞いてみると、翻訳アプリを使ったそうです。

店員さんも外国人対応には慣れた様子でした。

今まで翻訳アプリを使用して、誤注文はあったか聞くと無いとのこと。

 

もはや、外国語メニューも通訳スタッフも必要ないのかもしれません!

これは飲食業界全体の動向とも一致しています。

2024年はインバウンド客によるネット予約が前年比118%、特に「Google で予約」機能を使った予約が136%と大きく伸長しているというデータもあります。

 

Googleの翻訳機能を活用した飲食店の接客も広がっており、「英語が喋れないスタッフでも接客できる」という大きなメリットがあるようです。

店内

 

メニューをスマホで翻訳しながら確認

 

☀️   インバウンド専門店の出現

 

他に驚いたのは包丁屋さんが多い事!

 

仲見世の中に隣り合わせになるくらいの距離にありました。

隣り合わせの包丁屋

 

看板が面白かったのでスタッフさんに聞いてみたら、今日のスタッフの対応言語でした。

 

本日、出勤しているスタッフが対応できる言語

 

(欧米系店員さんが英語で)

「今日は英語、フランス語、スペイン語はいる」

 

「日本語は今日はいない。」

 

 

え?日本語がいない?

こんなことあって良いのか?

 

と思いましたが、こちらのショップは日本人客はいない。

最初からそのつもりもないなですね。

インバウンドがとても進んでいる事実をみました。

 

これは統計データからも読み取れる傾向です。

 

2019年のインバウンド消費は前年比+6.52%の4兆8,135億円でしたが、コロナ禍を経て2025年には更に拡大していると予測されます。

特に中国からの訪日外国人数は2025年1月だけで98万300人(前年同月比135.6%)にも達し、浅草のような人気観光地では店舗の経営戦略にも大きな変化をもたらしています。

 

☁️   新しい時代の「記憶に残る」体験とは

 

10年前の浅草と現在の浅草。

外国語ポップ一つで模索していた時代から、今では完全にインバウンド専門の店舗が軒を連ねる時代へと進化しています。

 

翻訳アプリやGoogle検索からの予約など、テクノロジーの進化が言語の壁を低くしたことも大きな変化です。

 

飲食店予約においても、2022年12月時点でネット予約が48.9%、電話予約が51.1%とほぼ同率にまで増加し、2024年には飲食店のインターネット予約利用率が69.3%に達したというデータもあります。

 

外国人観光客にとって、日本の飲食店へのアクセスのハードルが下がっているのでしょう。

 

以前のブログでも書きましたが、「記憶に残る」ということの重要性。

インバウンド市場でも同様です。言葉の壁を超えて、どう「記憶に残る」体験を提供できるかが、これからの観光ビジネスの鍵になりそうです。

 

外国語ポップだけではなく、「セカイPOP」などの多言語対応サービスやテレビを活用した翻訳システムなど、テクノロジーを活用した新しいサービスも続々と登場しています。

 

浅草の変化は、これからの日本全体の観光地の未来図なのかもしれません。

インバウンドビジネスに関わる私たちにとって、貴重な学びの場となりました。

 

株式会社インジェスター 李英門

 

おまけ

郵便ポスト いなくならないよね?