2025年6月18日、日本政府観光局(JNTO)から5月の訪日外客数が発表されました。
今回は、この最新データを基に、インバウンド市場の現状と今後の展望について考えてみたいと思います。

🌏 訪日外客数の最新動向
2025年5月の訪日外客数は369万3,300人となり、前年同月比で21.5%増加しました。
これは5月として過去最高だった2024年の304万294人を65万人以上上回り、同月過去最高を大幅に更新する結果となりました。
特筆すべきは、5月が桜シーズンと夏休みシーズンの間に挟まれた時期であり、通常は訪日需要が落ち着く時期であるにもかかわらず、このような大幅な増加を記録したことです。
国・地域別の訪日状況
国・地域別に見ると、以下のような特徴が見られます:
韓国:82万5,800人(前年同月比11.8%増)
中国:78万9,900人(同44.8%増)
台湾:53万8,400人(同15.5%増)
米国:31万1,900人(同26.3%増)
香港:19万3,100人(同11.2%減)
特にインドは前年同月比47.9%増の4万3,000人と単月過去最高を記録し、韓国をはじめ中国、台湾、米国など21市場で5月として過去最高を記録しました。
💹 インバウンド消費の最新トレンド
訪日外国人による消費も好調に推移しています。
2025年1〜3月期のインバウンド消費総額は過去最高の2兆2,720億円を記録し、前年同期比28.4%増となりました。
国籍・地域別の消費動向
消費額を国籍・地域別に見ると、中国が5,443億円(構成比24.0%)と最も多く、次いで台湾3,168億円(同13.9%)、韓国2,824億円(同12.4%)、米国2,188億円(同9.6%)、香港1,534億円(同6.8%)となっています。
出典:やまとごころ.jpより
https://yamatogokoro.jp/inbound_data/56813/
特に注目すべきは消費スタイルの変化です
国・地域 消費の特徴
中国 高級品、医薬品、美容・医療ツーリズムに注力
韓国・台湾 コスメ、軽衣料品、食体験への支出が増加
東南アジア ハラル対応、文化体験、写真映えを重視
欧米圏 宿泊・交通・文化体験など「コト消費」志向
🌈 コミュニケーション能力の重要性
インバウンド市場の拡大に伴い、訪日外国人とのコミュニケーション機会も増えています。
調査によると、約8割の人がここ1〜2年で訪日外国人観光客を見かける機会が増えたと感じており、2人に1人が訪日外国人から声をかけられた経験があるとのことです。
訪日外国人観光客へのおもてなしにおいて必要だと思うことの1位は「コミュニケーション力」(41.9%)、2位は「英語・英会話の取得」(40.5%)となっています。
これは前回のブログでお話しした「コミュニケーション能力の育成と自己肯定感の大切さ」にも通じるものがあります。
🚩 持続可能な観光への取り組み
2023年3月に策定された第4次観光立国推進基本計画では、「持続可能な観光」「消費額拡大」「地方誘客促進」の3つの柱が示されています。
これらの実現に向けて、JNTOは市場動向を綿密に分析しながら、戦略的な訪日旅行プロモーションに取り組んでいます。
📈 2025年の訪日外国人数予測と今後の展望
JTBの予測によると、2025年の訪日外国人客数は前年比108.9%の4,020万人に達すると見込まれています。
これは過去最高を記録した2024年からさらに伸びる見通しです。
また、観光庁長官の秡川(ハライカワ)氏は「今年のインバウンドの好調ぶりは、昨年を上回る勢い推移しており、年間で4,500万人に達する勢いがある」と述べています。
さらに、2030年の訪日外国人6,000万人、消費額15兆円という目標に向けて、新たな観光立国推進基本計画(第5次)の策定も進められています。
🏙️ 地方分散化の進展
インバウンド市場の拡大に伴い、観光客の地方分散化も進んでいます18。2024年上半期の主要都市以外での予約件数は、前年同期比32%増加したというデータもあります。
これは、大都市や有名観光地でオーバーツーリズムが課題となる中、旅行者が地方などさまざまな都市を訪れる「分散型の旅」が広がっていることを示しています。
私たち株式会社インジェスターでも、多言語コミュニケーションを通じて、こうした地方誘客の促進に貢献していきたいと考えています。
💭 最後に
インバウンド市場は着実に回復・拡大を続けており、2025年も引き続き好調な推移が期待されます。
しかし、単に訪日客数や消費額の増加を目指すだけでなく、「持続可能な観光」「地方誘客促進」「質の高いおもてなし」といった観点からも取り組みを進めていくことが重要です。
今年は個人的にもオーバーツーリズムの解消、地方誘客促進に関わっていこうと思っております。
これからも、インバウンド市場の動向を注視しながら、多言語コミュニケーションを通じて、日本の魅力を世界に発信していきたいと思います。
インジェスター李英門