時の流れは本当に早いですね。
あの日の空気、今でも鮮明に思い出します。
久しぶりに晴れた日でその年初の真夏日。
病院の廊下で無事に生まれてきてくれた息子と、頑張ってくれた妻に初めて対面した瞬間。
あのときの胸の高鳴りは、今も変わらず心の奥に残っています。
その余韻に浸る間もなく、私は仕事場である成田空港へと急ぎました。
確か、スタッフの面接がありました。
当時は自家用車を持っていなかったので病院前のレンタカー屋さんに行きました。
ハンドルを握りながらも頭の中は息子の誕生でいっぱいでした。
そんな浮かれ気分が災いしたのか、気づけば進入禁止の標識を見落とし目の前には警察官。
心臓が跳ね上がる。
「ここ、進入禁止。標識見えなかった?免許証見せて」
最悪だ、と思いました。時間もない。
とっさに口をついて出たのは、
「さっき、息子が生まれたんです!」
警察官は一瞬も表情を崩さず、それでもどこか柔らかい声で
「おめでとう。行きなさい」
とだけ言い、静かにその場を離れていきました。
あの時の感謝は、今でも忘れられない。
50歳くらいの垂れ目の警察官。
今もどこかでお元気であろうか。
きっと、もう60代後半くらいでしょう。
そんな思い出を胸に、今日は東海地方に出張に出ています。
アッパ(とうちゃん)、まだまだ頑張らないと。

息子ももう19歳。
これからも家族とともに、日々の小さな奇跡や出会いを大切にしていきたいと思います。
お誕生日おめでとう!
そして、妻に心から感謝です。
アッパは一歩ずつ、前に進みます。

李英門