私が通訳会社に入社してからずっとやりたいと願っていた仕事は、プロ野球団で韓国人選手の通訳でした。
今となれば、実現可能性はゼロに近い。
理由は3つ。
・選手付き通訳者として採用されるのは、選手よりも年齢が低いケースがほとんど。
→すでに歳上のプロ野球選手はいない。。。
・最近、韓国人選手の日本球団への移籍が少ない。
→理由はわからない
・そもそも、通訳会社の社員が現場通訳をすることはない
→フリーランスを採用するケースがほとんど。(そちらの方が上手)
通訳会社の社員は仕事を獲得することが本分
ただ、1シーズンだけでもやってみたかった。
😆 実現した一度きりの夢
そんな私ですが、一度だけ、これに近いというか、プロ野球に関わることをさせてもらったことがありました。
それは、2007年の2月1日。
韓国メディアの日本プロ野球のキャンプ取材同行通訳でした。

当時は今以上に、韓国人選手が多く海を渡り、日本の球界で活躍していた時期でした。
2007年は、走攻守の三拍子揃った韓国球界のスターである李炳圭選手が中日ドラゴンズに加入。
そのキャンプ取材をするためのお仕事でした。
沖縄で通訳者をアサインすることが難しく、東京から連れて行くのであれば、私が行きたい!と先輩に立候補していかせてもらったのです。
とても懐かしい。

⭐️福留選手への独占インタビューで感じた緊張感
特に思い出深かったのは、李選手への通訳ではなく、福留選手への独占インタビューを担当したことでした。
当時中日ドラゴンズの看板選手であった福留選手から、WBC2006での対戦した韓国の印象や、同僚となった李選手への期待を聞く内容だったと記憶しています。
福留選手への取材はとても緊張しました。雰囲気がありました。
勿論面識がないので、テレビなどで見たり聞いたりしたPL時代や、ドラフトエピソードなどで勝手に得た印象が強かったのです。
ENGカメラが入り、周囲には韓国メディアはもちろんですが、福留選手だけに日本のメディアも大勢集まっていました。
私が選手の正面に座ってインタビューがスタートしました。
事前に球団広報に提出しておいた、きっと選手も事前に聞いたであろういくつかの質問をただ読むだけでしたが、自身がインタビューを受けているかのように緊張しました。
逆にリラックスしまくっている福留選手は大きな声でハキハキと答えてくれました。
「それでは福留選手、よろしくお願いします!」
「はい!」
🌎世界の舞台で活躍した選手として
福留選手はWBC2006の韓国戦で値千金のホームランを放っているので、韓国メディアはとても興味を持っていました。
その選手から李選手のどんな印象が聞けるのか楽しみにしていました。
逐次通訳でインタビューをした方が海外メディアらしく国際的な取材感が出て良いのですが、福留選手もお忙しい時間を割いてきてくださっているので、時間の関係で日本語でインタビューをした後に、インタビュー内容を韓国語に訳し、SBSやKBSに提供するようにしました。
当日のうちに韓国のスポーツニュースで放送されたことでしょう。
これも18年前。

✈️インバウンドの新たな流れ
帰京後、大のドラゴンズファンの義兄にその音源を聴かせながら自慢をしました。
当時の取材音源はどこかにあるはず。
今度探してみよう。
あれから18年。
2025年のインバウンド市場は劇的な変化を見せており日本政府観光局(JNTO)の最新データによると、2025年5月の訪日外国人旅行者数は前年比21.5%増の369万3300人となり5月として過去最高を更新しました。
この好調な流れの中でプロ野球界もインバウンド市場への取り組みを強化しています。
パシフィックリーグマーケティング株式会社は、訪日外国人旅行者向けにプロ野球パ・リーグ6球団主催試合の観戦チケットを販売するサービス「Tickets in Japan」を2025年春から開始。
また、スポーツツーリズムの分野では野球観戦が特に人気で、日本人旅行者の26%が野球観戦を目的とした旅行を計画しているというデータもあります。
外国人観光客の中でも、日本のプロ野球の組織的な応援スタイルは「すごくクール」と評価されており、海外にはない独特の文化として注目を集めています。

📅 時代の巡り合わせ
その福留選手が2022年シーズンで引退しました。
2007年の春のキャンプで、まさか私が通訳として彼にインタビューをすることになるとは思いもよりませんでした。
私にも、福留選手との小さな、勝手なエピソードがあったとは!
福留孝介選手ありがとうございました!
※実は、3月のMLB開幕戦でニアミスしていました!

株式会社インジェスター 李英門