2025年8月20日にJNTO(日本政府観光局)から発表された7月の訪日外国人旅行者数(推計値)は、343万7,000人となり、7月として過去最高を記録しました。
前年同月比4.4%増となり、2024年7月の329万2,602人を14万人以上上回る結果となりました。
👓 参考サイト
訪日外客統計|JNTO(日本政府観光局)

🖊️ 記録更新の要因
夏場は東南アジアなど一部市場で訪日需要が落ち着く時期となりますが、2025年7月は東アジアや欧米豪・中東を中心に多くの市場でスクールホリデーに合わせた訪日需要の高まりが見られました。
特に中国、台湾、インドネシア、インド、米国、フランスを中心に訪日外客数が増加したことが今月の押し上げ要因となっています。
市場別動向と明暗が分かれた結果
⤴️好調な市場
🇨🇳中国が再び首位を獲得し、97万4,500人(前年同月比25.5%増)となりました。
やっぱり来たか〜!
航空座席数の増加、クルーズ船の寄港、スクールホリデー等の影響が要因です。

🇺🇸米国は27万7,100人(前年同月比10.3%増)で7月として過去最高を記録。
こちらもスクールホリデーによる若年層の訪日需要の高まりに加え、継続する訪日旅行人気が背景にあります。
欧州市場も好調で、
🇫🇷フランスが4万6,200人(前年同月比23.7%増)、
🇩🇪ドイツが2万8,100人(同23.9%増)、
🇪🇸スペインが2万4,100人(同29.0%増)とそれぞれ7月として過去最高を記録しました。
全てで23%以上増加しました。

⤵️減少した市場とその要因
一方で、
🇰🇷韓国は67万8,600人(前年同月比10.4%減)、
🇭🇰香港は17万6,000人(同36.9%減)と大幅に減少しました。
これらの市場では、「🫨7月に日本で地震が発生する🫨」という根拠のない情報がSNS等で拡散されていたことが影響しています。
実際に当社のお仕事が中止になったケースがございましたので、驚きです。
前回の6月の関連ブログでも触れましたが、2025年は過去最速の6か月で2,000万人を突破し、上半期だけで2,151万8,100人を記録していました。
7月の結果を踏まえると、年間で4,000万人台に到達する可能性も現実的になってきています。
👐地域分散の重要性と今後の課題
15市場で7月として過去最高を記録した一方で、情報の拡散による急激な需要減少という新たな課題も浮き彫りになりました。
主要観光地への集中を避け、地方への誘客を促進することは、オーバーツーリズム対策としても重要です。
千葉県房総半島の里山体験や佐原の歴史的町並み、小湊鉄道沿線の自然美など、まだ知られていない魅力的な観光資源の発信が求められています。
また、SNSなどでの情報拡散の影響力が改めて示された今回の結果は、正確な情報発信と風評被害対策の重要性を物語っています。

💡まとめ
7月の訪日外国人数343.7万人という過去最高記録は、日本の観光立国としてのポテンシャルを改めて示すものでした。
スクールホリデーによる需要の高まり、航空路線の拡充、継続する日本人気など、複数の要因が重なった結果といえます。
一方で、情報の拡散による市場の変動、地域分散の必要性、持続可能な観光の推進など、解決すべき課題も明確になりました。
2025年後半に向けて、量的成長から質的成長への転換を図りながら、さらなる記録更新が期待される日本の観光産業の動向に注目していきます。

株式会社インジェスター 李英門