おじさん(サンチュン)の話。

サンチュンとは韓国語で「叔父」を意味します。
私の母の兄であり、
子どもがいないこと、そして親族の中でただ一人、地元の神戸を離れ東京に暮らしていたこともあって、
東京に移り住んだ私にとってはまさに「東京のお父さん」のような存在でした。
私が大学を出ておじさん同様に神戸を離れ東京で就職し、最初の職場で挫折していた頃も、
サンチュンは多くを語る人ではありませんでしたが、
要所要所で大切な言葉をかけてくれました。
サンチュンは結婚相談所の所長をしていたこともあり、
私の結婚式ではそのご縁を活かして、本当に素晴らしい会場を用意してくださいました。
サンチュンが結婚した年は、私が生まれた年。
つまり、私の年齢と結婚年数は常に同じです。
偶然というには不思議すぎるめぐり合わせ。
その存在は「縁」という言葉では片付けられない深い結びつきでした。
もしサンチュンに子どもがいたら、私と同じくらいの年齢だったかもしれません。
そんなサンチュンですが、ちょうど私が結婚した頃に体調を崩し、
その後20年にわたり闘病を続けてきました。
だんだんと体は動かなくなり、やがて言葉も失いました。
それでも伝えようとする表情は豊かで、
もしかすると元気な頃よりたくさん「会話」を重ねたのかもしれません。
支え続けた叔母の姿には、ただただ頭が下がる思いです。
今日、無事に納骨を終えました。
胸が詰まるような一日でしたが、サンチュンとの思い出はこれからも消えることはありません。
口数が少なく、たんたんと物事を進める人。
成果が出ても決して驕らず、人の悪口も口にしなかった。
その生き方は亡くなった後に、多くの人から聞かせてもらうエピソードを通じて、改めて胸に迫ってきます。
本当に優しい人でした。
そして素直にかっこいいと思える人でした。
納骨までの一連の行事を経て、和尚さんが語ってくださった言葉があります。
「故人への感謝を忘れないように。今日、このように多くの親族に見守られ法事を営めたことを、故人もきっと喜んでいるでしょう」
その言葉の通り、私は甥として、そして可愛がってもらった存在として、
サンチュンの生き方と意思をしっかり受け止め、感謝を忘れずこれからの日々に生かしていきたいと思います。
삼층(サンチュン)!
ありがとう。

李英門