新幹線に乗ってみると、最近は本当に外国人のお客さんが増えたと感じます。
ざっと見たところ、乗客の3割ほどが外国人観光客のようでした。
私が乗り込んだ16号車では半分ほどがそうで、
どうやらビジネス団体ツアーのよう。
会話は英語が中心で、通路を挟んで楽しそうにおしゃべりしていました。
心がほっと和むひとときの中で、ふと考えたのは新幹線でのマナーのこと。
席を倒す前に「シートを倒してもよいですか?」と一言添える。
たったそれだけのことですが、相手への思いやりが伝わりますね。
決まったルールではありませんが、この「一言」が小さな優しさのように感じます。
私の後ろにはその外国人ツアーの方々が座っていたので、
声かけると少し不思議そうな顔でこちらを見ていましたが、
いつも通り一声かけてシートを倒しました。
すると数分後、今度は前の女性から「倒しても良いですか?」と声をかけられ、
「どうぞ」と返すと、自然なやりとりが生まれました。
その少し後、60代くらいの男性がチケットを片手に座席番号を見比べながら現れ、
私の前の席に座る女性に、
「席はこちらで合っていますか?」と尋ねました。
D・E席の2シート。
よくあるシーンです。
私も以前、一つ早い新幹線に乗ってしまった経験があるので、
思わず心の中で頷いてしまいました。
女性の方が自分のチケットを見返すと、
なんと座席を間違えていたのはその女性の方。
正しくは男性が窓側(E席)でした。
この日は快晴で、E席といえば富士山がきれいに見える“特等席”。
おそらく男性も「車窓から富士見」を楽しみに予約していたのでしょう。
それでも彼は穏やかにこう言いました。
「そのままで大丈夫ですよ。私は通路側に座ります。」
その紳士的な一言に、周りの空気までも柔らかくなるようでした。
ベージュのオーバーオールに茶色の革ジャン。
背が高くて、俳優さんみたいだなぁと感じるほど。
日本の旅の美しさは、こうした優しさにも宿っているのかもしれません。
良いことをすれば、きっと自分に返ってくる。
その逆も然り。
今、新幹線の利用者の約3割が訪日客とも言われています(JR東日本調べ)。
春から秋にかけては特にアジア圏からの観光ツアーが多く、
「富士山が車窓から見えるE席」は人気の撮影スポットにもなっているそうです。
こうした旅の中で、日本のマナーや人の温かさを知ってもらえることが、インバウンドの魅力のひとつですね。
今日も、誰かの優しさに出会える一日になりますように。

株式会社インジェスター 李英門