インバウンド

EIMONの楽苦我記

李英門のビジネス活動の記録です。

#219 信頼と成長の重要性

教えることが得意ではありません。


一つは、自分の仕事の進め方が感覚的で、手順書のように整理して伝えるのが難しいからです。

もう一つは、「自分のやり方」を押し付けてしまう怖さがあるからです。

営業時代、若手社員と一緒に訪問し、自分が「見本」としてトークし、
その場でクロージングまで持っていくことがよくありました。


なぜその会話を選んだのか、
相手の表情や反応をどう見ていたのか、
できるだけ言語化して伝えてはみるものの、
どこか腑に落ちていない様子を感じていました。



「通じているかどうか」は本来相手のテーマであって、
こちらがコントロールできるものではありませんが、
押し付けられたやり方では仕事に身が入らないのも、また事実です。

どこかで、「俺を見ろ!」的な姿勢があったのだと今となればわかります。


自分で気づくことの価値

ここ5年ほどで入社した社員には、こちらから積極的に「教えに行く」ことは、
あえてしていません。


社内には自分より話しやすい先輩もいますし、
今の世代は検索を駆使して自分なりのやり方を見つける力も持っています。


まずの行動としては、それで十分だと思っています。

一方で、「その言い回しは、お客様にどう伝わるかな?」と、気になる場面もあります。


例えば、お客様への説明で
「◯◯さんはこの業務から外れたので…」
という表現をした社員がいました。


これでは
「何か問題があって外されたのか」
と誤解を生む余地があり、◯◯さん本人の立場も守れません。
(実際、何もないです)


自分だったら
「◯◯さんは別業務を担当することになったので…」と、
前向きな言葉を選びます。

ただ、こうした「言葉の感覚」は、指摘されてすぐ直るものではなく、
少し時間がかかってでも自分で気づいた方が、その人の血肉になります。


そう信じて、見守ることも増えました。




面談で見えた信頼関係

そんな中、昨日面談した社員(リーダー候補)は、話し始めた途端、
すぐにメモを取り始めました。


「そんな大した話はしないよ」
と伝えても、
「すぐ忘れてしまうので」
と笑いながら、こちらの言葉を一つひとつ書き留めていきます。


そこまでされると、話す側も自然と背筋が伸び、
より真剣に向き合わざるを得ません。

このやりとりを通じて感じたのは、
「教える/教わる」
という上下の構図ではなく、
「一緒により良くしていこう」
という、対等な信頼関係でした。


同じ「面談」という場でも、そこにあるのはスキル指導ではなく、
信頼を土台にした対話なのだと実感しました。



社員との面談は、観光客との一期一会とは違う、
長い時間をかけた「リピートの関係」です。


だからこそ焦って教えすぎず、それでも必要なときには向き合って言葉を選ぶ。


そんな関係を、これからもインバウンドの現場と同じくらい、大切に育てていきたいと思います。


株式会社インジェスター
李英門